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バスク関連本『バサジャウンの影』


 すっかり見落としていました。昨年末に刊行されていました!ドロレス・レドンド著の『バサジャウンの影』(白川貴子訳、ハヤカワ・ポケット・ミステリ)2016年です。

 原題はスペイン語でEl guardián invisible。「目に見えない守り人」や「姿を現さない守護人」といったような意味です。邦訳タイトルの「バサジャウン」とは、バスク伝説に出てくる、野蛮な大男で、森の精ないし森の番人のことです。「バサハウン」という言い方もあります。

 ドノスティア=サン・セバスティアン生まれの著者は、2013年の本作がミリオンセラーになるや、国際的に知られるようになりました。本作は世界の34の言語に翻訳され、本年映画化もされています(日本公開は現時点で未定)。

 舞台は、ナバーラ北部のバスタン地方の中心的村落のエリソンド。そこで起こる連続少女殺人事件をめぐるミステリーです。殺人をめぐる描写は、人によっては猟奇的だと感じるかもしれませんが、書き割りとしてのバスクの風景、伝承、風俗とじつに巧くマッチして描かれます。「地」と「血」という、2つの「ち」ですね。

 本作は、バスタンを舞台とする「バスタンもの」3部作の第1作です。残り2作も日本語に翻訳されるのかな?


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